スイス・フランス国境における森林環境整備支援事業について

1.事業の経緯と背景

本事業は、スイス・フランス国境近接地域(国境から1.5kmに森林を所有するスイス人土地所有者からの要請により開始されました。当該地はフランス側に位置しますが、近隣のスイス住民も日常的に買い物やレジャーで訪れるなど、国境を越えた密接な共生関係がある地域です。

所有者はこれまで、地域住民による森林への立ち入りを寛容に受け入れてきましたが、以下の課題を抱えていました。

安全性の確保:本来、林業用である林道が散歩道として利用されており、一般利用者の安全確保と環境保全の両立が急務となっている。

水環境の改善:地域の子供たちに「カエルの池」として親しまれている水辺が、排水不良により降雨時に冠水し、利用が困難になっている。

森林再生の停滞:土壌のぬかるみなどの影響で、一部地域での植林が困難な状況にある。

これらの課題解決は単なる私有地の整備に留まらず、地域コミュニティの安全と両国の友好親善に資するものであると考え、当法人では「国境地域における里山保全活動」の一環として支援を決定いたしました。


2.事業内容

本事業では、自然環境への負荷を最小限に抑えつつ、以下の整備活動を実施します。

林道の安全整備:地域住民が安全に自然を享受できるよう、林道機能と歩行環境を両立させた整備を行います。

【カエルの池】の環境改善:排水機能を修復し、子供たちが安全に自然体験を行える環境を再生します。

困難区域への植林活動:適切な排水対策を施したうえで、これまで欠株となっていた区域への植林を行い、豊かな森を再生します。


3.事業の意義と展望

本事業は、当法人の理念である「国境の里山の森を平和の社に」を具現化する取り組みです。

多国籍による共同作業 :整備にあたってはスイス・フランス両国からスタッフを雇用します。異なる国籍の人々が共に汗を流すプロセス自体が、国際交流と相互理解の象徴となります。

次世代への継承:子供たちの遊び場を守ることは、次世代の環境意識を育む重要な機会となります。

平和への貢献:国境という象徴的な場所で里山を維持することは、国際的な友好関係の維持と平和への寄与に直結します。

​土地所有者からの要請に基づき、当法人理事全員の合意を経て決定された本支援を通じ、平和の社ふじさわは今後も持続可能な自然環境づくりと国際平和に貢献してまいります。